海外研修報告
図書情報係 遠山 正宏
去る1月、菊地専門員と私の二人で、学長裁量経費(平成15年度教育改善推進費)により、アメリカのセントラル・ミシガン大学
(Central Michigan University = CMU)とアーラム大学(Earlham College)の図書館を視察してきました。
その目的は、先進的な活動を展開しているアメリカ大学図書館を訪問し、岩手大学附属図書館の将来に役立てるためです。
海外研修については、国立大学図書館協議会の海外派遣や他大学図書館職員の海外出張の話などを耳にしてはいましたが、
まさか自分がこのような機会に恵まれるとは思いもしませんでした。
そもそもこの話の発端は、昨年7月頃、学長裁量経費(教育改善推進費)の、在外研究員等経費による研究計画の募集があったことです。
今まで本学の図書館職員が海外研修に行ったことは一度もなかったこともあり、常々、
館長や事務長から「うちの図書館からも外国に行かせてあげたい」という希望があったので、この機会に応募しようという話になり、急遽、
計画書を提出したわけです。
しかし、残念ながら我々の計画書は採択されず、この話は立ち消えになってしまいました。
ところが、10月になって、突然、当初の計画を縮小するという条件付きでOKが出たのです。冗談ではなく、
本当に外国に行けることになったのです。
さて、いよいよ具体的に行動開始、といきたいところでしたが、何せ、実際に行くまでにどんなことを用意、
手配しなければいけないのか、わからないことばかりでした。
そこで、学内の技術専門職員で、以前教官と外国に研究に行かれた方に、事前準備等のアドバイスをいただくことにしました。
しかし、その方の話を聞いているうちに、我々が考えているほど簡単なものではなく、
今からでは年度内実施はかなり難しいということがわかってきました。
通常、何のつてもない場合、訪問のコンタクトを取り始めてから許諾を得るまで半年から1年くらいかかるということをお聞きして、
計画の甘さを実感したわけです。
そこで、訪問先など計画の大幅な見直しが必要になり、アメリカの大学に詳しい留学生センターの尾中教官に相談した結果、
本学と多少なりとも交流のあるCMUとアーラム大学を推薦していただきました。
CMUとは大学間交流協定締結に向けての覚え書きを交わしていますし、アーラム大学とは昨年8月、大学間学術交流協定を締結しています。
しかも両大学とも尾中教官の知り合いの方がいらっしゃるとのことで、尾中教官が先方とコンタクトをとってくださり、11月下旬、
両大学から訪問の内諾を得ることができました。
我々二人ともそれほど英語が堪能なわけではありませんでしたが、その後は私が直接先方とメールで打ち合わせを行うことになりました。
英作文はかなり手こずりましたが、Webの無料翻訳サイトを利用するなどして、どうにかこうにかやりとりできました。
しかし、宿泊先の手配、現地通訳の依頼等に対して、出発直前までなかなか返答がなく、ヤキモキさせられもしました。
ところで、今回の外国出張は公用旅券でしたが、申請から発給まで日数がかかることもあり、実際に手元に届いたのが12月下旬でした。
しかも公用旅券であるにもかかわらずビザが必要で、さらに旅券が発給されてからでないとビザの発給依頼ができなかったため、
年末年始を挟んだこともあり、ビザが手元に届いたのが出発前日という、ぎりぎりの状況でした。
しかも、クリスマス・イブにはアメリカでBSE(狂牛病)感染牛が発見され、日本政府がアメリカからの牛肉製品の輸入禁止措置をとったために、
日本へのお土産にビーフ・ジャーキーなどを買ってくることができないとか、
アメリカの出入国審査ではスーツケースの中も見ることからスーツケースには鍵をかけないように(かけていると鍵を壊される)、
などと注意事項を旅行会社から教えられ、海外旅行というわくわくする楽しみどころか、不安だらけで出発の日を迎えることになりました。
ここで今回の日程を説明しますと、1月17日(土)日本を出発し、現地時間の17日(土)に到着、18日(日)休息日、19日(月)と20日(火) にCMU訪問、21日(水)移動日、22日(木)と23日(金)にアーラム大学訪問、24日(土)に帰路につき、日本時間の25日(日) に日本に帰国の予定でした。