The Iwate University Library Bulletin

図書館業務に携わって

岩手大学附属図書館
事務長 岩井 瑛輔

 4月1日,附属図書館の事務長に任命され,既に4ヶ月経過いたしました。
 昭和43年に岩手大学に就職し,これまで学外を含め十数カ所の部署に異動しましたが 附属図書館勤務は初めての体験です。これまでは庶務系・学生系の部署が多く,また, あまり図書館を利用しなかった私にとって,別世界の感があります。
  就任前,大学図書館の役割や運営システム等についての知識がなく不安がありましたが, 中嶋館長をはじめとする職員皆様方のご指導をいただき,何とか今日に至っております。
はじめに面食らったのは,図書館情報処理システムであり,カタカナ語及びアルファベットが 氾濫する世界です。図書館に関し無知な私は職員の皆様方から教えを請い,「へー!」, 「なるほど」と感心している状況が現在も続いております。
 これまで,図書館を外部からしか見ておらず,国立情報学研究所を中心とした大学図書館の 運用システム,図書館職員の仕事ぶり等に目が覚めた思いがします。自画自賛になりますが, 本館職員は快適な環境を利用者に提供するため,全員体制で図書業務に対応している状況です。
  図書館では,利用対象者を「奉仕対象者」と呼び,職員一同「奉仕」の精神で職務に従事 しておりますが,「奉仕対象者」の中にはマナーを守っていただけない方が結構いらっしゃ います。マナーを守らないため不快な気持ちになるのは,他の利用者です。何方も子供の頃から, 「他人に迷惑を掛けない」と躾られてきたと思いますが,図書の返却遅延,盗難,ゴミ・吸い殻 の放置,閲覧室での飲食・携帯電話等の「他人に迷惑を掛ける」行為が多くなってきております。 これらの問題は,一人一人がマナーを守っていただければ解決できる問題です。より充実した 図書館とするため職員一同更に努力を重ねることは当然のことですが,皆様方のご協力をよろしく お願いいたします。
  また,近年,大学図書館は構成員のためだけの図書館ではなくなってきております。県内の 大学,放送大学,地域住民等へのサービス提供の比重も高くなってきており,これまでの夜間開館 に加え土・日曜日の開館も実施しております。
  本年10月からは,岩手県立図書館の情報化に併せ,同図書館及び県内17市町村の図書館と 連携・協力し,蔵書の横断検索ができるようになります。これにより,県立図書館及び17市町村 図書館の蔵書状況が瞬時に検索できるようになり,これらの図書館との相互貸借へと進展して 行くものと思われます。このことは地域の皆様はもとより,本学構成員にとっても有益であると 判断し,他の4大学に先駆け決断したものです。
  私は,運営システム等専門的な内容について勉強不足で不明な点が多く,図書館職員を含め 大学の皆様方にご迷惑をかけているのではないかと危惧しておりますが,図書館が更に充実し 学生,教職員及び地域の皆様に気軽に利用していただけるよう,管理面等で「縁の下の力持ち」 として貢献できれば幸いと考えております。

次へ→

このページの先頭に戻る

目次へ