一行図書館

岩手大学図書館の蔵書の中からおすすめの一行を紹介します

 

●1行目
なんでみんな、そんな思いをしてまで「雇われる」ことに必死になるんだろう(家入一真「15歳から、社長になれる。 : ぼくらの時代の起業入門」

●2行目
小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。(ミヒャエル・エンデ「モモ」)

●3行目
わからないところで断念するのではなくて、飛ばして先に進む勇気があるかないか、それが読書の境目。(芦田宏直「努力する人間になってはいけない」

●4行目
その場にその人がいなくても、優しい気持ちはちゃんと空間を作っていくんだと思う。(瀬尾まいこ「見えない誰かと」

●5行目
歴史は決して二度と繰返しはしない。だからこそ僕等は過去を惜しむのである。(小林秀雄「小林秀雄全作品13 歴史と文学」

6行目
沢山の本は有機的に絡みあい、本の集合体として私を変えた。(二階堂奥歯「八本脚の蝶」

●7行目
一度くらい夢に出てきてほしいです。あいたいですね。(「生きた証:東日本大震災犠牲者回顧録」

●8行目
障害者とは、健常者が使っているものを使わず、健常者が使っていないものを使っている人です。(伊藤亜紗「目の見えない人は世界をどう見ているのか」

●9行目
「女の子の名前はみんなオーレンカ」という傾向(阿部日奈子「海曜日の女たち」

●10行目
書物の最大の敵は行動である。(「寺山修司著作集第4巻 自叙伝・青春論・幸福論」

●11行目
正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。(宮沢賢治「新編銀河鉄道の夜」所収「マリヴロンと少女」)

●12行目
今、我々の周囲には陽が射し、温もりが我々を脆弱にしはじめている。(志村ふくみ,志村洋子「たまゆらの道」

●13行目
学校の先生を内心バカにしないやうな生徒にろくな生徒はない。(「三島由紀夫全集 29巻」所収「不道徳教育講座」)

●14行目
自分は何も知らないのだということに気づく。これが、実はとても大切なことなのではないかと思うんです。(内田樹 [ほか] 「学ぶということ」

●15行目
世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった。(村田沙耶香「コンビニ人間」

●16行目
書物を読むのは極悪う御座います。有体に云うと、読書程修行の妨になるものは無い様です。(夏目漱石「門」

●17行目
信じるべきものは、すべて言葉になっている。(九螺ささら「神様の住所」

●18行目
ありのままの姿を周囲に認めてもらえる人間なんか、めったにいない。世の中は間違いだらけだ。(ピーター・S.ビーグル最後のユニコーン

●19行目
私は今もって、研究の動機については、「自分でもよくわからない」と答えるしかない。(小熊英二「「民主」と「愛国」」

●20行目
あなたには哲学を役立てるだけの知恵と力と勇気があるのか?(戸田山和久 「哲学入門」

●21行目
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。(吉本ばなな「キッチン」

●22行目
学びというのは、役に立たなければ立たないほど面白い。(安田登「あわいの力 : 「心の時代」の次を生きる」

●23行目
しょげ返る時間、つくりたいんだよ。(瀬尾夏美「あわいゆくころ : 陸前高田、震災後を生きる」

●24行目
僕は、沈黙を、夜を、書き現した、僕は言い表し得ないものを書き留めた。僕は眩暈を定着した。(堀口大学訳「ランボー詩集」

●25行目
わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風を食べ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
(宮沢賢治「注文の多い料理店」序(「宮沢賢治全集8」)

●26行目
「女でいることが、どれくらい痛いかだよ」(川上未映子「夏物語」

●27行目
目標を持って、日々努力し、どんな仕事でも心を込めることができる人が、プロフェッショナルだと思います(新津春子「世界一清潔な空港の清掃人」

●28行目
私、わかりません。わかりませんけど、私「正義」というものが大嫌いです。(佐野洋子「ふつうがえらい」

●29行目
彼らには新しい生き方がなければならない。わたしたちの未だ経験したことのない生き方が。(魯迅「阿Q正伝 ・藤野先生」 )

●30行目
「20代で土日が楽しみになったらおしまいだよね」(久松達央「小さくて強い農業をつくる」

●31行目
平穏な世が続くと、人の話す言葉は短く、やがてはきれぎれになる、と言われます。(古井由吉, 佐伯一麦「言葉の兆し : 往復書簡」

●32行目
意味体験を概念的自覚に導くところに知的存在者の全意義が懸っている。(九鬼周造「「いき」の構造」

●33行目
「ばらばら」でありながらも、いや「ばらばら」であるからこそ、彼らはつながることができる。(小川さやか「チョンキンマンションのボスは知っている」)

●34行目
『それにしても、悪は可能であろうか?』(三島由紀夫「金閣寺」

●35行目
もちろん、書くことの大半は待つことである。(アーシュラ・K.ル=グウィン「ファンタジーと言葉」

●36行目
人に好かれようとするよりも、人を好きになる方が、断然面白いことだと思わないか。(池田晶子「14歳の君へ : どう考えどう生きるか」

●37行目
伝える者がいなくなったとき、暗黒の世界が人々を支配する。(山本美香「ぼくの村は戦場だった。」

●38行目
物語というのは生きていて、切れば血が出る。(岸政彦「断片的なものの社会学」

●39行目
不寛容は検閲を生み出し、検閲は他人の論理への無知を増大させるから、結果として不寛容を増大させる。
(プリーモ・レーヴィ「溺れるものと救われるもの」

●40行目
肝心のところは自分で考えなければならない。教師が悪いとか、友達が悪いとか言ってもしょうがない。(結城浩「数学ガール」)

●41行目
我々の期待と願いに反して、天才はサボらない。(読書猿「独学大全」

●42行目
わたしはアートってものを信じない。アーティストってものを信じてます。(マルセル・デュシャン「アフタヌーン・インタヴューズ」

●43行目
「だって夏ですもん。夏って、でっけー目で見たいもの、いっぱいあるじゃないですか」(くどうれいん「うたうおばけ」

●44行目
創出は生じるままにしておくこと。ある創出に、また別の創出が続いていくから。(ジル・クレマン「動いている庭 : 谷の庭から惑星という庭へ」

●45行目
人生はいつか終わってしまうけれど、その場所にその人は確かにいた。(小川たまか「「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。」)

●46行目
私は歴史を客観的事実としてよりも、一人一人の人生の物語の集合として理解したいと思う。(村本邦子「周辺からの記憶 : 三・一一の証人となった十年」

●47行目
都市は、歓喜の岸の間を流れる川のように、密度の濃い物質が巡回する場である。(フランコ・ラ・チェクラ「反建築 : 大規模開発と建築家」

●48行目
「お話は大事なの。食べものと水が大事なように」(クリス・ヴィック「少女と少年と海の物語」

●49行目
活版印刷は沈黙の声を潰してしまった。(マーシャル・マクルーハン「グーテンベルクの銀河系 : 活字人間の形成」

●50行目
自然は法則に従うものであるという信仰なしには、いかなる科学もありえない。(ノーバート・ウィーナー「人間機械論 : 人間の人間的な利用」

●51行目
「真に卓越した企業と、それ以外の企業との違いはどこにあるのか」(J・C・コリンズ [ほか]「ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則」

●52行目
わたしたちの生きる世界は、多くのできあいの物語とほんの少しの新しい物語によってできている。
(野口裕二「物語としてのケア : ナラティヴ・アプローチの世界へ」

●53行目
この地上で、唯一私たちだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのだ。
(リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」 )

●54行目
わたしがおまえを滅ぼすとして、それがおまえとなんの関係がある?(劉慈欣「三体」

●55行目
大切なのは、「私」という「小さな主語」で考えることです。(荒井裕樹「まとまらない言葉を生きる」

●56行目
あなたのデザインに、そして人生にも、空白がたくさんできることを恐れてはいけません。(Robin Williams「ノンデザイナーズ・デザインブック」

●57行目
「言葉」は人が自らの感性を守る手段であり、それが力で歪められる状態を許してはならない。( 嶋田博子「職業としての官僚」)

●58行目
絶対に素人であるという条件で、玄人以上の広さと激しさと充実感をもってやるべきだと思う。(岡本太郎「岡本太郎発言! : 対談集」

●59行目
良い本と邂逅することはある種の「事件」であるように思います。(小森謙一郎, 戸塚学, 北村紗衣編「人文学のレッスン : 文学・芸術・歴史」

●60行目
ポツンとそこにあることでも、ちゃんとこの世を形成する要素になっているものたちを自分は見過ごしたくはないのだ。
(奈良美智「Yoshitomo Nara : self-selected works, Works on paper」

●61行目
天然知能は、「ダサカッコワルイ」のです。(郡司ペギオ幸夫「天然知能」

●62行目
けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう。(ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」