氏 名 | 木村 千恵子 | 本籍(国籍) | 山形県 |
学位の種類 | 博士 (農学) | 学位記番号 | 連研 第313号 |
学位授与年月日 | 平成17年3月23日 | 学位授与の要件 | 学位規則第4条第1項該当 課程博士 |
研究科及び専攻 | 連合農学研究科 生物資源科学専攻 | ||
学位論文題目 | オシロイシメジに含まれるラジカル消去活性物質について (Radical scavengers from the mushroom Lyophyllum connatum) |
||
論文の内容の要旨 | |||
オシロイシメジ(Lyophyllum connatum)の子実体から4種類のラジカル消去活性物質を単離した。 このうち3種類の既知化合物(N-hydroxy,N,N-dimethylurea、connatin、ergothioneine)を単離・同定し、 β-hydroxyergothioneineと命名した新規化合物を単離した。HERTは、UV、IR、MS、NMRおよびX線結晶解析により、 (2S,3S)-β-hydroxyergothioneineと決定した。次に1,1-diphenyl-2-picrylhydrazil(DPPH)のラジカル消去活性試験を Trolox法で行った。その結果、β-hydroxyergothioneineとergothioneineは同程度の活性を示し、その強さは 水溶性のビタミンE類似体であるTroloxとほぼ同程度の強い活性を示すことがわかった。 N-Hydroxy,N,N-dimethylureaおよびconnatinは、β-hydroxyergothioneineとergothioneineと比較して弱い活性を示した。 また、β-hydroxyergothioneineとergothioneineを用いてラットの初代培養肝細胞の四塩化炭素障害に対する 防御効果を検討した結果、β-hydroxyergothioneineとergothioneineは四塩化炭素誘発肝細胞障害を防御し、 興味深いことに、ergothioneineに比較してβ-hydroxyergothioneineの方がより強く細胞を保護した。 また、供試濃度ではどちらも細胞毒性を示さなかった。 また、オシロイシメジの子実体より菌体培養を行った。得られた培養菌体では、N-hydroxy,N,N-dimethylurea、 connatin、ergothioneineの3つのラジカル消去活性物質が生産されていることを確認した。 その他、市販のキノコの抽出物のTLC、HPLC、およびNMR分析の結果、タモギタケ、ヤマブシタケ、エノキタケ、 ナラタケ、マイタケ、シイタケにはergothioneineが含まれていることがわかった。 |